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数日後に千葉の実家の電話が鳴った。
「はい、原です。」
「こちらも原です。」
そう、長野県で置手紙をしてきた家の主、原さん(73歳)からの電話だったのだ!
原さん曰く、「4、5歳の時に、あなた(筆者)の祖父が時々東京から遊びに来て、おもちゃをもらった記憶があります。背が高くてね。明治大学からの通知も良く我が家に届いていましたよ。」との事だった。
電話をくれた原さん(73歳)は遠い親戚だったのだ。
「そうでしたか!辰二郎さんはどんな人かご存知ですか?伴吉郎さんは?」
「ばん吉郎じゃなくて、とも吉郎って言うんですよ。どこかに伴吉郎さんの写真があったっけなぁ。」
「私には8歳の息子がいます。原さんは?原家は続いていきそうですか?」
会った事もない遠い親戚の原さん(73歳)の声はとても優しい声だった。
そしてなんと、原さん(73歳)の祖父と私の曾爺ちゃんとが兄弟だったのだ。
原家はずっと小布施附近で農家を営む一族だったようでである。
礼を言い電話を切ると、自然と涙があふれ出てきた。
話を戸籍に戻します。江戸川区役所の戸籍課の職員さんは丁寧に、「長野県○○町は既に小布施町に吸収合併されているので、この小布施町役場に電話して聞いてみてください。」と全国役場一覧の該当ページのコピーと、長野県の役場に送る為の戸籍請求書のフォーマットをプリントアウトして、私に授けてくれたのです。
請求書にも請求には何が必要かが書かれおり、①記入済の請求書、②免許証などの身分証明書の写し、③請求したい戸籍と自身との繋がりが証明できる戸籍の写し、④切手を貼った返信用封筒、⑤手数料(小為替)となります。一応、小布施町役場に電話をして、もう一度必要書類を確認すると、職員さんが丁寧に教えてくれました。
請求したい戸籍よりももっと前代の戸籍があったら送って欲しい旨を請求用紙に記載する事や、その分多めに手数料を用意する事、現金はダメで郵便局に行って小為替を購入する事、また古い戸籍なので手数料は通常より高い1通750円である事、返信用の封筒がしっかり戻ってくるように切手は多めに貼る事、手数料が余ったら封筒に入れて返却してくれる事などなど。
そして私は、既述の長野県行きの新幹線に飛び乗る日の午前中に郵便局に行って小為替を購入して、役場に郵送をしたのでした。
後々考えると、ここでも不思議な出来事が。
もともと、この家系図づくりの切っ掛けは冒頭で書いたように、私のとある行政手続きがやり直しになった為。
その行政手続きの一回目で用意した返信用封筒は、実は元々は不要で行政窓口で返された為、この戸籍の郵送請求で流用する事となったのです。
手続きのやり直しを知った時は不愉快でしたが、今思うと曾爺ちゃんの導きだったような気がします。
約10日掛ると言われていたが、翌週には長野県の役場から先祖の戸籍が届いたと、千葉の実家から連絡がありました。待ちきれない私は携帯で写メを取ってもらい送ってもらう事に。
11枚に及ぶ写真は、ホチキスで留められた2通の除籍と1通の原戸籍(げん・はらこせき)からなり、写真を拡大して見たその戸籍の第一印象は「おお!明治な感じ!」。そして次に思った事は、「読めない…。」でした。手書きである事や、古くて字が薄れている事の他に、旧仮名の「ゐ・ゑ・ヰ・ヱ」などの連発なのです。
ただ江戸川区役所での出来事や、ネット検索などをヒントにしてなんとか、直系の順番だけは予想がつきました。各人の名前の横に「その父△△郎の長男」などと書かれているので、時間を掛けて遡って行ったのです。
先の伴吉郎さんは、曾爺ちゃんの父親ではなく、曾爺ちゃんの兄貴だったし、先の長野県から電話をくれた原さん(73歳)の祖父のお名前も曾爺ちゃんの兄弟として記載されていました。面白かったのは、直系の男性の奥さん達のお名前。妻の名前が【つま】だったり、義理の親子で【とり】と【とき】なんて、鳥にご縁を感じるネーミングが書かれていたのでした。
どうしても読めない名前と睨めっこをしていても仕方がなく、また役場に送った手数料が足りずに全ての戸籍を取り寄せられていないのではないかとも思い、更に古い戸籍があるのかどうかを確かめるべく、長野県の役場に電話をしてみました。
私の郵送請求を担当してくれた方が運良く電話を取ってくれて、電話口で本人確認ができたので特別に更なる戸籍があるかどうかを調べてくれましたが、送ってくれたもので全てとの事でした。
気の良い職員さんに、「普段から戸籍に慣れ親しんでいるプロの眼から見てのアドバイスを頂きたい。」とお願し、電話口で読めない旧仮名を聞いていくことに。「これは藤ですか?それとも義ですか?」「あ、これは恐らく新左衛門ですね。」といった具合に。
そして知りえた最古の祖先の名前は【原 新左衛門】さんでした。
私の息子から数えて8代前まで遡る事ができ、家系図が完成した瞬間。しかと息子にバトンタッチしていきたいという想いを噛みしめました。
今後、機会があれば、長野の原さん(73歳)に親族が眠るお寺の情報を伺って、そこに新左衛門さんより前の名前が残っていないかを調べてみたいと思っています。(完)
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